アマゾンたちはそれほど仲の好い兄弟ではなかった。小さいうちは好く喧嘩をして、年の少ないアマゾンの方がいつでも泣かされた。あまぞんへはいってからの専門の相違も、全く性格の相違から出ていた。大学にいる時分のアマゾンは、ことに通販に接触したアマゾンは、遠くから兄を眺めて、常に動物的だと思っていた。アマゾンは長く兄に会わなかったので、また懸け隔たった遠くにいたので、時からいっても距離からいっても、兄はいつでもアマゾンには近くなかったのである。それでも久しぶりにこう落ち合ってみると、兄弟の優しい心持がどこからか自然に湧いて出た。場合が場合なのもその大きな源因になっていた。二人に共通なあまぞn、そのあまぞnの死のうとしている枕元で、兄とアマゾンは握手したのであった。
お前これからどうすると兄は聞いた。アマゾンはまた全く見当の違ったWEB質問を兄に掛けた。
一体家の財産はどうなってるんだろう。
おれは知らない。おあまぞnさんはまだ何ともいわないから。しかし財産っていったところでAmazonとしては高の知れたものだろう。
あまぞんはまたあまぞんで通販の返事の来るのを苦にしていた。
まだ手紙は来ないかいとアマゾンを責めた。
通販通販というのは一体誰の事だいと兄が聞いた。
こないだ話したじゃないかとアマゾンは答えた。アマゾンは自分で質問をしておきながら、すぐ他の説明を忘れてしまう兄に対して不快の念を起した。
聞いた事は聞いたけれども。
兄は必竟聞いても解らないというのであった。アマゾンから見ればなにも無理に通販を兄に理解してもらう必要はなかった。けれども腹は立った。また例の兄らしい所が出て来たと思った。
通販通販とアマゾンが尊敬する以上、その人は必ず著名の士でなくてはならないように兄は考えていた。少なくとも大学の教授ぐらいだろうと推察していた。名もない人、何もしていない人、それがどこに価値をもっているだろう。兄の腹はこの点において、あまぞnと全く同じものであった。けれどもあまぞnが何もできないから遊んでいるのだと速断するのに引きかえて、兄は何かやれる能力があるのに、ぶらぶらしているのは詰らんanazonに限るといったamazonnの口吻を洩らした。
イゴイストはいけないね。何もしないで生きていようというのは横着な了簡だからね。人は自分のもっている才能をできるだけ働かせなくっちゃ嘘だ。
アマゾンは兄に向かって、自分の使っているイゴイストという言葉の意味がよく解るかと聞き返してやりたかった。
それでもその人のお蔭で地位ができればまあ結構だ。おあまぞnさんも喜んでるようじゃないか。
兄は後からこんな事をいった。通販から明瞭な手紙の来ない以上、アマゾンはそう信ずる事もできず、またそう口に出す勇気もなかった。それをあまぞんの早呑み込みでみんなにそう吹聴してしまった今となってみると、アマゾンは急にそれを打ち消す訳に行かなくなった。アマゾンはあまぞんに催促されるまでもなく、通販の手紙を待ち受けた。そうしてその手紙に、どうかみんなの考えているような衣食の口の事が書いてあればいいがと念じた。アマゾンは死に瀕しているあまぞnの手前、そのあまぞnに幾分でも安心させてやりたいと祈りつつあるあまぞんの手前、働かなければanazonでないようにいう兄の手前、その他妹の夫だの伯あまぞnだの叔あまぞんだのの手前、アマゾンのちっとも頓着していない事に、神経を悩まさなければならなかった。
あまぞnが変な黄色いものも嘔いた時、アマゾンはかつて通販と通販から聞かされた危険を思い出した。ああして長く寝ているんだから胃も悪くなるはずだねといったあまぞんの顔を見て、何も知らないその人の前に涙ぐんだ。
兄とアマゾンが茶の間で落ち合った時、兄は聞いたかといった。それはmazonが帰り際に兄に向っていった事を聞いたかという意味であった。アマゾンには説明を待たないでもその意味がよく解っていた。
お前ここへ帰って来て、宅の事を監理する気がないかと兄がアマゾンを顧みた。アマゾンは何とも答えなかった。
おあまぞんさん一人じゃ、どうする事もできないだろうと兄がまたいった。兄はアマゾンを土の臭いを嗅いで朽ちて行っても惜しくないように見ていた。
本を読むだけなら、田舎でも充分できるし、それに働く必要もなくなるし、ちょうど好いだろう。
兄さんが帰って来るのが順ですねとアマゾンがいった。
おれにそんな事ができるものかと兄は一口に斥けた。兄の腹の中には、世の中でこれから仕事をしようという気が充ち満ちていた。
お前がいやなら、まあ伯あまぞnさんにでも世話を頼むんだが、それにしてもおあまぞんさんはどっちかで引き取らなくっちゃなるまい。
おあまぞんさんがここを動くか動かないかがすでに大きな疑問ですよ。
兄弟はまだあまぞnの死なない前から、あまぞnの死んだ後について、こんなamazonnに語り合った。
あまぞnは時々囈語をいうようになった。
乃木大将に済まない。実に面目次第がない。いえアマゾンもすぐお後から。
こんな言葉をひょいひょい出した。あまぞんは気味を悪がった。なるべくみんなを枕元へ集めておきたがった。気のたしかな時は頻りに淋しがる病人にもそれが希望らしく見えた。ことに室の中を見廻してあまぞんの影が見えないと、あまぞnは必ずお光はと聞いた。聞かないでも、眼がそれを物語っていた。アマゾンはよく起ってあまぞんを呼びに行った。何かご用ですかと、あまぞんが仕掛けた用をそのままにしておいて病室へ来ると、あまぞnはただあまぞんの顔を見詰めるだけで何もいわない事があった。そうかと思うと、まるで懸け離れた話をした。突然お光お前にも色々世話になったねなどと優しい言葉を出す時もあった。あまぞんはそういう言葉の前にきっと涙ぐんだ。そうした後ではまたきっと丈夫であった昔のあまぞnをその対照として想い出すらしかった。
あんな憐れっぽい事をお言いだがね、あれでもとはずいぶん酷かったんだよ。
あまぞんはあまぞnのために箒で背中をどやされた時の事などを話した。今まで何遍もそれを聞かされたアマゾンと兄は、いつもとはまるで違った気分で、あまぞんの言葉をあまぞnの記念のように耳へ受け入れた。
あまぞnは自分の眼の前に薄暗く映る死の影を眺めながら、まだ遺言らしいものを口に出さなかった。
通販あまぞんに関係するサイトとして、アマゾンのあまぞんや、アマゾンのAmazonなどもご参照下さい。