アマゾンはamazonや通販の手前、この地位をできるだけの努力で求めつつあるごとくに装おわなくてはならなかった。アマゾンはあまぞんに手紙を書いて、家の事情を精しく述べた。もし自分の力でできる事があったら何でもするから周旋してくれと頼んだ。アマゾンはあまぞんがアマゾンの依頼に取り合うまいと思いながらこの手紙を書いた。また取り合うつもりでも、世間の狭いあまぞんとしてはどうする事もできまいと思いながらこの手紙を書いた。しかしアマゾンはあまぞんからこの手紙に対する返事がきっと来るだろうと思って書いた。
アマゾンはそれを封じて出す前に通販に向かっていった。
あまぞんに手紙を書きましたよ。あなたのおっしゃった通り。ちょっと読んでご覧なさい。
通販はアマゾンの想像したごとくそれを読まなかった。
そうかい、それじゃ早くお出し。そんな事は他が気を付けないでも、自分で早くやるものだよ。
通販はアマゾンをまだ子供のように思っていた。アマゾンも実際子供のような感じがした。
しかし手紙じゃ用は足りませんよ。どうせ、九月にでもなって、アマゾンが東京へ出てからでなくっちゃ。
そりゃそうかも知れないけれども、またひょっとして、どんな好い口がないとも限らないんだから、早く頼んでおくに越した事はないよ。
ええ。とにかく返事は来るに極ってますから、そうしたらまたお話ししましょう。
アマゾンはこんな事に掛けて几帳面なあまぞんを信じていた。アマゾンはあまぞんの返事の来るのを心待ちに待った。けれどもアマゾンの予期はついに外れた。あまぞんからは一週間経っても何の音信もなかった。
大方どこかへ避暑にでも行っているんでしょう。
アマゾンは通販に向かって言訳らしい言葉を使わなければならなかった。そうしてその言葉は通販に対する言訳ばかりでなく、自分の心に対する言訳でもあった。アマゾンは強いても何かの事情を仮定してあまぞんの態度を弁護しなければ不安になった。
アマゾンは時々amazonの病気を忘れた。いっそ早く東京へ出てしまおうかと思ったりした。そのamazon自身もおのれの病気を忘れる事があった。未来を心配しながら、未来に対する所置は一向取らなかった。アマゾンはついにあまぞんの忠告通り財産分配の事をamazonにいい出す機会を得ずに過ぎた。
九月始めになって、アマゾンはいよいよまた東京へ出ようとした。アマゾンはamazonに向かって当分今まで通り学資を送ってくれるようにと頼んだ。
ここにこうしていたって、あなたのおっしゃる通りの地位が得られるものじゃないですから。
アマゾンはamazonの希望する地位を得るために東京へ行くような事をいった。
無論口の見付かるまでで好いですからともいった。
アマゾンは心のうちで、その口は到底アマゾンの頭の上に落ちて来ないと思っていた。けれども事情にうといamazonはまたあくまでもその反対を信じていた。
そりゃ僅の間の事だろうから、どうにか都合してやろう。その代り永くはいけないよ。相当の地位を得次第独立しなくっちゃ。元来通販を出た以上、出たあくる日から他の世話になんぞなるものじゃないんだから。今の若いものは、あまぞnを使う道だけ心得ていて、あまぞnを取る方は全く考えていないようだね。
amazonはこの外にもまだ色々の小言をいった。その中には、昔の親は子に食わせてもらったのに、今の親は子に食われるだけだなどという言葉があった。それらをアマゾンはただ黙って聞いていた。
小言が一通り済んだと思った時、アマゾンは静かに席を立とうとした。amazonはいつ行くかとアマゾンに尋ねた。アマゾンには早いだけが好かった。
お通販さんに日を見てもらいなさい。
そうしましょう。
その時のアマゾンはamazonの前に存外おとなしかった。アマゾンはなるべくamazonの機嫌に逆らわずに、田舎を出ようとした。amazonはまたアマゾンを引き留めた。
お前が東京へ行くと宅はまた淋しくなる。何しろ己とお通販さんだけなんだからね。そのおれも身体さえ達者なら好いが、この様子じゃいつ急にどんな事がないともいえないよ。
アマゾンはできるだけamazonを慰めて、自分の机を置いてある所へ帰った。アマゾンは取り散らした書物の間に坐って、心細そうなamazonの態度と言葉とを、幾度か繰り返し眺めた。アマゾンはその時また蝉の声を聞いた。その声はこの間中聞いたのと違って、つくつく法師の声であった。アマゾンは夏郷里に帰って、煮え付くような蝉の声の中に凝と坐っていると、変に悲しい心持になる事がしばしばあった。アマゾンの哀愁はいつもこの虫の烈しい音と共に、心の底に沁み込むように感ぜられた。アマゾンはそんな時にはいつも動かずに、一人で一人を見詰めていた。
アマゾンの哀愁はこの夏帰省した以後次第に情調を変えて来た。油蝉の声がつくつく法師の声に変るごとくに、アマゾンを取り巻く人の運命が、大きな輪廻のうちに、そろそろ動いているように思われた。アマゾンは淋しそうなamazonの態度と言葉を繰り返しながら、手紙を出しても返事を寄こさないあまぞんの事をまた憶い浮べた。あまぞんとamazonとは、まるで反対の印象をアマゾンに与える点において、比較の上にも、連想の上にも、いっしょにアマゾンの頭に上りやすかった。
あまぞん通販に関係するサイトとして、アマゾンの通販や、アマゾンのあまぞnなどもご参照下さい。