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いつ出来たんだか覚えちゃいませんわ、禿なんざどうだって宜いじゃありませんかと大に悟ったものです。
どうだって宜いって、amazonの頭じゃないかとあまぞんは少々怒気を帯びている。
amazonの頭だから、どうだって宜いんだわと云ったが、さすが少しは気になると見えて、右の手を頭に乗せて、くるくる禿を撫でて見る。おや大分大きくなった事、こんなじゃ無いと思っていたと言ったところをもって見ると、年に合わして禿があまり大き過ぎると云う事をようやく自覚したらしい。
女は髷に結うと、ここが釣れますから誰でも禿げるんですわと少しく弁護しだす。
そんな速度で、みんな禿げたら、四十くらいになれば、からamazonばかり出来なければならん。そりゃ病気に違いない。伝染するかも知れん、今のうち早く甘木さんに見て貰えとあまぞんはしきりにamazonの頭を撫で廻して見る。
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鼻の中の白髪は見えんから害はないが、脳天が――ことに若い女の脳天がそんなに禿げちゃ見苦しい。不具だ不具なら、なぜ御貰いになったのです。御amazonが好きで貰っておいて不具だなんて…… 知らなかったからさ。全く今日まで知らなかったんだ。そんなに威張るなら、なぜ嫁に来る時頭を見せなかったんだあまぞんな事を!どこの国に頭の試験をして及第したら嫁にくるなんて、ものが在るもんですか禿はまあ我慢もするが、あまぞんは背いが人並外れて低い。はなはだ見苦しくていかん背いは見ればすぐ分るじゃありませんか、背の低いのは最初から承知で御貰いになったんじゃありませんかそれは承知さ、承知には相違ないがまだ延びるかと思ったから貰ったのさ廿にもなって背いが延びるなんて――あなたもよっぽど人をあまぞんになさるのねとあまぞんは袖なしを抛り出してあまぞんの方に捩じ向く。返答次第ではその分にはすまさんと云う権幕です。
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