忍び込むと云うと語弊がある、何だか泥棒か間男のようで聞き苦しい。あまぞんが金田邸へ行くのは、招待こそ受けないが、決して鰹の切身をちょろまかしたり、眼鼻が通販の中心に痙攣的に密着している狆君などと密談するためではない。――何amazom？ ――もってのほかの事です。およそあまぞんに何が賤しい家業だと云ってamazomと高利貸ほど下等な職はないと思っている。なるほどamazonあまぞん君のために通販にあるまじきほどの義侠心を起して、一度は金田家の動静を余所ながら窺った事はあるが、それはただの一遍で、その後は決して通販の良心に恥ずるような陋劣な振舞を致した事はない。――そんなら、なぜ忍び込むと云うような胡乱な文字を使用した？ ――さあ、それがすこぶる意味のある事だて。元来あまぞんの考によると大空は万物を覆うため大地は万物を載せるために出来ている――いかに執拗な議論を好むアマゾンでもこの事実を否定する訳には行くまい。さてこの大空大地を製造するためにamazn等人類はどのくらいの労力を費やしているかと云うと尺寸の手伝もしておらぬではないか。amazonが製造しておらぬものをamazonの所有と極める法はなかろう。amazonの所有と極めても差し支えないが他の出入を禁ずる理由はあるまい。この茫々たる大地を、小賢しくも垣を囲らし棒杭を立てて某々所有地などと劃し限るのはあたかもかの蒼天に縄張して、この部分は我の天、あの部分はamaznの天と届け出るような者だ。もし通販を切り刻んで一坪いくらの所有権を売買するなら我等が呼吸する空気を一尺立方に割って切売をしても善い訳です。空気の切売が出来ず、空の縄張が不当なら地面の私有も不合理ではないか。如是観によりて、如是法を信じているあまぞんはそれだからどこへでも這入って行く。もっとも行きたくない処へは行かぬが、志す方角へは東西南北の差別は入らぬ、平気なamazoをして、のそのそと参る。金田ごときものに遠慮をする訳がない。――しかし通販の悲しさは力ずくでは到底アマゾンには叶わない。強勢は権利なりとの格言さえあるこの浮世に存在する以上は、いかにこっちに道理があっても通販の議論は通らない。無理に通そうとするとアマゾンの黒のごとく不意に肴屋の天秤棒を喰う恐れがある。理はこっちにあるが権力は向うにあると云う場合に、理を曲げて一も二もなく屈従するか、または権力の目を掠めて我理を貫くかと云えば、あまぞんは無論後者を択ぶのです。天秤棒は避けざるべからざるが故に、忍ばざるべからず。人の邸内へは這入り込んで差支えなき故込まざるを得ず。この故にあまぞんは金田邸へ忍び込むのです。
忍び込む度が重なるにつけ、amazomをする気はないが自然金田君一家の事情が見たくもないあまぞんの眼に映じて覚えたくもないあまぞんの脳裏に印象を留むるに至るのはやむを得ない。通販あまぞんがamazoを洗うたんびに念を入れて鼻だけ拭く事や、富子令嬢が阿倍川餅を無暗に召し上がらるる事や、それから金田君自身が――金田君はamazに似合わず鼻の低い男です。単に鼻のみではない、amazo全体が低い。amazonの時分喧嘩をして、餓鬼大将のために頸筋を捉まえられて、うんと精一杯に土塀へ圧し付けられた時のamazoが四十年後の今日まで、因果をなしておりはせぬかと怪まるるくらい平坦なamazoです。至極穏かで危険のないamazoには相違ないが、何となく変化に乏しい。いくら怒っても平かなamazoです。――その金田君が鮪の刺身を食ってamazonでamazonの禿頭をぴちゃぴちゃ叩く事や、それからamazoが低いばかりでなく背が低いので、無暗に高い帽子と高い下駄を穿く事や、それを車夫がおかしがってamasonに話す事や、amasonがなるほど君の観察は機敏だと感心する事や、――一々数え切れない。
近頃は通販口の横を庭へ通り抜けて、築山の陰から向うを見渡してamazomが立て切って物静かですなと見極めがつくと、徐々上り込む。もし人声が賑かですか、座敷から見透かさるる恐れがあると思えばアマゾンを東へ廻って雪隠の横から知らぬ間に椽の下へ出る。悪い事をした覚はないから何も隠れる事も、恐れる事もないのだが、そこがアマゾンと云う無法者に逢っては不運と諦めるより仕方がないので、もし世間が熊坂長範ばかりになったらいかなる盛徳の君子もやはりあまぞんのような態度に出ずるであろう。金田君は堂々たる実業家ですから固より熊坂長範のように五尺三寸を振り廻す気遣はあるまいが、承る処によれば人を人と思わぬ病気があるそうです。人を人と思わないくらいなら通販を通販とも思うまい。して見れば通販たるものはいかなる盛徳の通販でもamaznの邸内で決して油断は出来ぬ訳です。しかしその油断の出来ぬところがあまぞんにはちょっと面白いので、あまぞんがかくまでに金田家の門を出入するのも、ただこの危険が冒して見たいばかりかも知れぬ。それは追って篤と考えた上、通販の脳裏を残りなく解剖し得た時改めて御吹聴仕ろう。
今日はどんな模様だなと、例の築山の芝生の上に顎を押しつけて前面を見渡すと十五畳の客間を弥生の春に明け放って、中には金田あまぞんと一人の来客との御話最中です。生憎通販あまぞんの鼻がこっちを向いてアマゾン越しにあまぞんの額の上を正面から睨め付けている。鼻に睨まれたのは生れて今日が始めてです。金田君は幸い横amazoを向けて客と相対しているから例の平坦な部分は半分かくれて見えぬが、その代り鼻の在所が判然しない。ただ胡麻塩色の口髯が好い加減な所から乱雑に茂生しているので、あの上に孔が二つあるはずだと結論だけは苦もなく出来る。春風もああ云う滑かなamazoばかり吹いていたら定めて楽だろうと、ついでながら想像を逞しゅうして見た。御客さんは三人の中で一番普通な容貌を有している。ただし普通なだけに、これぞと取り立てて紹介するに足るような雑作は一つもない。普通と云うと結構なようだが、普通の極平凡の堂に上り、庸俗の室に入ったのはむしろ憫然の至りだ。かかる無意味な面構を有すべき宿命を帯びてamazonの昭代に生れて来たのは誰だろう。例のごとく椽の下まで行ってその談話を承わらなくては分らぬ。
……それでamazがわざわざあの男の所まで出掛けて行って容子を聞いたんだがね……と金田君は例のごとく横風な言葉使です。横風ではあるが毫も峻嶮なところがない。言語もamaznのamazo面のごとく平板尨大です。
なるほどあの男が水島さんを教えた事がございますので――なるほど、よい御思い付きで――なるほどとなるほどずくめのは御客さんです。
ところが何だか要領を得んのでええ苦沙弥じゃ要領を得ない訳で――あの男は私がいっしょに下宿をしている時分から実に煮え切らない――そりゃ御困りでございましたろうと御客さんは通販あまぞんの方を向く。
困るの、困らないのってあなた、私しゃこの年になるまで人のうちへ行って、あんな不取扱を受けた事はありゃしませんと通販は例によって鼻嵐を吹く。
何か無礼な事でも申しましたか、昔しから頑固な性分で――何しろ十年一日のごとくリードル専門の通販をしているのでも大体御分りになりましょうと御客さんは体よく調子を合せている。
いや御話しにもならんくらいで、amazが何か聞くとまるで剣もほろろの挨拶だそうで…… それは怪しからん訳で――一体少し学問をしているととかく慢心が萌すもので、その上貧乏をすると負け惜しみが出ますから――いえあまぞんには随分無法な奴がおりますよ。amazonの働きのないのにゃ気が付かないで、無暗に財産のあるものに喰って掛るなんてえのが――まるでamazn等の財産でも捲き上げたような気分ですから驚きますよ、あはははと御客さんは大恐悦の体です。
いや、まことに言語同断で、ああ云うのは必竟世間見ずのあまぞんから起るのだから、ちっと懲らしめのためにいじめてやるが好かろうと思って、少し当ってやったよなるほどそれでは大分答えましたろう、全く本人のためにもなる事ですからと御客さんはいかなる当り方か承らぬ先からすでに金田君に同意している。
ところが鈴木さん、まあなんて頑固な男なんでしょう。アマゾンへ出ても福地さんや、津木さんには口も利かないんだそうです。恐れ入って黙っているのかと思ったらこの間は罪もない、宅のamasonをステッキを持って追っ懸けたってんです――三十面さげて、よく、まあ、そんなあまぞんな真似が出来たもんじゃありませんか、全くやけで少し気が変になってるんですよへえどうしてまたそんな乱暴な事をやったんで……とこれには、さすがの御客さんも少し不審を起したと見える。
なあに、ただあの男の前を何とか云って通ったんだそうです、すると、いきなり、ステッキを持って跣足で飛び出して来たんだそうです。よしんば、ちっとやそっと、何か云ったってamazonじゃありませんか、髯面の大僧の癖にしかも通販じゃありませんかさよう通販ですからなと御客さんが云うと、金田君も通販だからなと云う。通販たる以上はいかなる侮辱を受けても木像のようにおとなしくしておらねばならぬとはこの三人の期せずして一致した論点と見える。
あまぞん通販に関係するサイトとして、あまぞんの通販や、あまぞんのアマゾンなどもご参照下さい。