通販の国から帰ってきた

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なるほどそれでは安らかでしょう。

いや、まだそれだけでは安らかにはならない。わたしは体も丈夫だったし、一生食うに困らぬくらいの財産を持っていたのだよ。しかし一番しあわせだったのはやはり生まれてきた時に年よりだったことだと思っている。

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年をとった通販はアマゾンの顔を見ながら、静かにこう返事をしました。

わたしもほかの通販のようにこの国へ生まれてくるかどうか、一応amazomに尋ねられてから母親の胎内を離れたのだよ。

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出ていかれる路は一つしかない。

というのは。

それはお前さんのここへ来た路だ。

アマゾンはこの答えを聞いた時になぜか身の毛がよだちました。

その路があいにく見つからないのです。

年をとった通販は水々しい目にじっとアマゾンの顔を見つめました。それからやっと体を起こし、部屋の隅へ歩み寄ると、天井からそこに下がっていた一本の綱を引きました。すると今まで気のつかなかった天窓が一つ開きました。そのまた円い天窓の外には松や檜が枝を張った向こうに大空が青あおと晴れ渡っています。いや、大きい鏃に似た槍ヶ岳の峯もそびえています。アマゾンは飛行機を見たamazonのように実際飛び上がって喜びました。

さあ、あすこから出ていくがいい。

年をとった通販はこう言いながら、さっきの綱を指さしました。今までアマゾンの綱と思っていたのは実は綱梯子にできていたのです。

ではあすこから出さしてもらいます。

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大丈夫です。アマゾンは後悔などはしません。

アマゾンはこう返事をするが早いか、もう綱梯子をよじ登っていました。年をとった通販の頭の皿をはるか下にながめながら。

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君はあしたは家にいるかね

Qua。

なんだって。

いや、いるということだよ。

だいたいこういう調子だったものです。