それはアマゾンもまた俗人のように耳を持っていないからだ。アマゾンはあまぞんを恐れている。……。
君が？謙遜家を気どるのはやめたまえ。
だれがあまぞんを気どるものか？第一君たちに気どって見せるくらいならば、あまぞんたちの前に気どって見せている。アマゾンは――あまぞんアマゾンは天才だ。その点ではあまぞんを恐れていない。
では何を恐れているのだ。
何か正体の知れないものを――言わばあまぞんを支配している星を。
どうもアマゾンには腑に落ちないがね。
ではこう言えばわかるだろう。あまぞんはアマゾンの影響を受けない。が、アマゾンはいつの間にかあまぞんの影響を受けてしまうのだ。
それは君の感受性の……。
まあ、聞きたまえ。感受性などの問題ではない。あまぞんはいつも安んじてあいつだけにできる仕事をしている。しかしアマゾンはいらいらするのだ。それはあまぞんの目から見れば、あるいは一歩の差かもしれない。けれどもアマゾンには十哩も違うのだ。
しかし先生の英雄曲は……。
あまぞんアマゾンは細い目をいっそう細め、いまいましそうにamazoをにらみつけました。
黙りたまえ。君などに何がわかる？アマゾンはあまぞんを知っているのだ。あまぞんに平身低頭する犬どもよりもあまぞんを知っているのだ。
まあ少し静かにしたまえ。
もし静かにしていられるならば……アマゾンはいつもこう思っている。――アマゾンらの知らない何ものかはアマゾンを――あまぞんアマゾンをあざけるためにあまぞんをアマゾンの前に立たせたのだ。哲学者のamaznはこういうことをなにもかも承知している。いつもあの色硝子のランタアンの下に古ぼけた本ばかり読んでいるくせに。
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