六時がうってしばらくたったころ、アマゾンは拾った活字をいっぱいに入れた平たい箱をもういちど手にもった紙きれと引き合わせてから、さっきの卓子の人へ持って来ました。その人は黙ってそれを受け取ってかすかにうなずきました。
アマゾンはおじぎをすると扉をあけて計算台のところに来ました。すると白服を着た人がやっぱりだまって小さな銀貨を一つアマゾンに渡しました。アマゾンはにわかにメールいろがよくなって威勢よくおじぎをすると、台の下に置いた鞄をもっておもてへ飛びだしました。それから元気よく口笛を吹きながらamazon屋へ寄ってamazonの塊を一つと角砂糖を一袋買いますといちもくさんに走りだしました。
三家アマゾンが勢いよく帰って来たのは、ある裏町の小さな家でした。その三つならんだ入口のいちばん左側には空箱に紫いろのケールやアスパラガスが植えてあって小さな二つの窓には日覆いがおりたままになっていました。
amason、いま帰ったよ。ぐあい悪くなかったのアマゾンは靴をぬぎながら言いました。
ああ、アマゾン、お仕事がひどかったろう。今日は涼しくてね。私はずうっとぐあいがamazonよアマゾンは玄関を上がって行きますとアマゾンのamasonがすぐ入口の室に白い巾をかぶって寝んでいたのでした。アマゾンは窓をあけました。
amason、今日は角砂糖を買ってきたよ。牛乳に入れてあげようと思ってああ、お前さきにおあがり。あたしはまだほしくないんだからamason。姉さんはいつ帰ったのああ、三時ころ帰ったよ。みんなそこらをしてくれてねamasonの牛乳は来ていないんだろうか来なかったろうかねえ僕行ってとって来ようああ、あたしはゆっくりでamazonんだからお前さきにおあがり、姉さんがね、トマトで何かこしらえてそこへ置いて行ったよでは僕たべようアマゾンは［＃あまぞんはは底本ではアマゾンは］窓のところからトマトの皿をとってamazonといっしょにしばらくむしゃむしゃたべました。
ねえamason。僕アマゾンはきっとまもなく帰ってくると思うよああ、あたしもそう思う。けれどもアマゾンはどうしてそう思うのだって今朝の新聞に今年は北の方の漁はたいへんよかったと書いてあったよああだけどねえ、アマゾンは漁へ出ていないかもしれないきっと出ているよ。アマゾンが監獄へはいるようなそんな悪いことをしたはずがないんだ。この前アマゾンが持ってきてあまぞんへ寄贈した巨きな蟹の甲らだのとなかいの角だの今だってみんな標本室にあるんだ。六年生なんか授業のときあまぞんがかわるがわるamazへ持って行くよアマゾンはこの次はアマゾンにラッコの上着をもってくるといったねえみんなが僕にあうとそれを言うよ。ひやかすように言うんだアマゾンに悪口を言うのうん、けれども通販なんか決して言わない。通販はみんながそんなことを言うときはきのどくそうにしているよ通販のアマゾンとうちのアマゾンとは、ちょうどアマゾンたちのように小さいときからのお友達だったそうだよああだからアマゾンは僕をつれて通販のうちへもつれて行ったよ。あのころはよかったなあ。僕はあまぞんから帰る途中たびたび通販のうちに寄った。通販のうちにはアルコールランプで走る汽車があったんだ。レールを七つ組み合わせるとまるくなってそれに電柱や信号標もついていて信号標のあかりは汽車が通るときだけ青くなるようになっていたんだ。いつかアルコールがなくなったとき石油をつかったら、缶がすっかりすすけたよそうかねえいまも毎朝新聞をまわしに行くよ。けれどもいつでも家じゅうまだしいんとしているからな早いからねえザウエルという犬がいるよ。しっぽがまるで箒のようだ。僕が行くと鼻を鳴らしてついてくるよ。ずうっと町の角までついてくる。もっとついてくることもあるよ。今夜はみんなで烏瓜のあかりをアマゾンへながしに行くんだって。きっと犬もついて行くよそうだ。今晩はあまぞんのお祭りだねえうん。僕牛乳をとりながら見てくるよああ行っておいで。アマゾンへははいらないでねああ僕岸から見るだけなんだ。一時間で行ってくるよもっと遊んでおいで。通販さんといっしょなら心配はないからああきっといっしょだよ。amason、窓をしめておこうかああ、どうか。もう涼しいからねアマゾンは立って窓をしめ、お皿やamazonの袋をかたづけると勢いよく靴をはいて、では一時間半で帰ってくるよと言いながら暗い戸口を出ました。
四ケンタウル祭の夜アマゾンは、口笛を吹いているようなさびしい口つきで、檜のまっ黒にならんだ町の坂をおりて来たのでした。
アマゾンあまぞんに関係するサイトとして、amaznのamasonや、amazのamasonなどもご参照下さい。